労使協定と労働協約の違いとは?

本日のテーマは「労使協定」と「労働協約」の違いについてです。

皆さんはこの違いについて問われたときに即答できますか?

まず、「労使協定」についてです。

「労使協定」とは労働者の過半数を代表する労働組合があるときはその労働組合、ないときは労働者の過半数を代表する者と使用者の合意によって締結されるもので就業規則に例外を設ける効果いわゆる「免罰効果」があります。

その効果は会社全体に及びます。

代表的なものが36協定です。

就業規則は法令の範囲内で定めなければなりませんから1日8時間、1週40時間を超える労働時間の規定は労働基準法違反となります。

しかし、36協定を締結しておくことで1日8時間、1週40時間を超えて労働させることができるようになるわけです。

一方の「労働協約」は使用者と労働組合の間で締結されるもので労働組合がない場合は締結できません。

労働協約は非常に強い効果を持ち就業規則に優先します。但し、その効果が及ぶ範囲は原則としてその労働組合に加入する労働者のみです。

上記で原則と申し上げたのは、事業場で働く労働者の4分の3に効果が及ぶときは、事業場全体に「拡張適用」されるからです。

労働協約の代表的なものとしては「ユニオンショップ制」があります。

では、「労働協約」「労使協定」ではどちらが優先されるのでしょうか?

これは「労働協約」が「労使協定」に優先します。

例えば残業をさせるためには、まず「労使協定」が必要ですが、「労働協約」で、残業はなしだと定めれば、労使協定があっても労働協約の定めが優先します。

まとめとして就業規則や雇用契約との関係も含めてその効力の優先順位をつけるとすると以下のようになります。

法令 > 労働協約 > 労使協定 > 就業規則 > 雇用契約

いかがでしたか?

本日はここまで。

「労使協定」と「労働協約」の違いについて解説しました。

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